実写版『モアナと伝説の海』の評価:海外レビューは酷評、しかしキャサリン・ラガアイアの演技は絶賛

Live-action de Moana
写真: 配給 / ウォルト・ディズニー・スタジオ

期待の実写版『モアナと伝説の海』がついに劇場公開されましたが、ディズニーの超大作を取り巻く海は大荒れの模様です。ポップカルチャーファンの期待を一身に背負った本作ですが、海外の専門メディアからは厳しい声が相次いでいます。

半獣半神のマウイ役として、圧倒的なカリスマ性を誇るドウェイン・ジョンソンが復帰したものの、オリジナル版が持っていた魔法のような魅力は海に消えてしまったようです。批評家は、本作の構成面での問題を厳しく指摘しています。レビューの雰囲気は決して明るいものではありません。

この出だしはディズニーにとっても懸念すべき事態です。有力メディアは、大ヒットしたアニメーション版をただ機械的にトレースした作品だと評価しました。実写化によって、キャラクターの生命感が失われてしまったという意見が目立ちます。

ロッテン・トマトで突きつけられた実写版『モアナと伝説の海』の厳しい現実

公式の数字は、ディズニーのオフィスに緊張を走らせました。大手レビュー集計サイト「ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)」で、本作の評価は悲惨なスタートを切りました。初動の支持率はわずか35%にとどまっています。

この数字は世界中の映画ライターによる100本以上のレビューを基に算出されたものです。事実上、65%が不満を示している状態です。多くの映画ジャーナリストが、実写スクリーンに映し出された仕上がりに不合格を出しました。

多くのメディアが、このリメイクをアイデンティティを失った作品と評しています。海外レビューの多くで独創性の欠如が指摘されました。最初の試写会が終了すると、SNS上でも「ありきたりな仕上がり」だという不満の声が広がりました。

2016年のオリジナル版という巨大な影

メディアがこぞって指摘するのは、オリジナルアニメーション版の完成度の高さです。2016年の作品は、今でもファンや批評家から絶大な支持を集めています。当時、ロッテン・トマトでは95%という驚異的な支持率を記録しました。

多くの専門家は、今回のリメイクがオリジナル版の素晴らしさをより際立たせていると分析します。アニメーションならではの豊かな感情表現を、今回のリアルな映像技術では再現しきれなかったようです。シーンを忠実に再現しようとするあまり、作品の感情的な熱量が冷めてしまいました。

実写リメイクという選択自体に疑問を持つライターも少なくありません。多くの人の記憶に新しい名作をすぐにリメイクすることは、単なるビジネス的な都合に見えてしまいます。結果として、本作は映画館で上映される意義を十分に示せませんでした。

キャサリン・ラガアイア:混乱の中で唯一の成功

写真: 配給 / ウォルト・ディズニー・スタジオ

ネガティブな意見が吹き荒れる中、この超大作には明確な救いがあります。主人公モアナを演じたキャサリン・ラガアイアの演技だけは別格で、満場一致の称賛を浴びました。新人ながら、非常に厳しい目を持つ批評家たちを唸らせる素晴らしいパフォーマンスを披露しています。

業界大手のバラエティ誌をはじめとする主要メディアは、この新星の輝きを絶賛するレビューを掲載しました。現代のポップカルチャーを代表する人気ヒロインを演じるという重圧の中、彼女は高い技術と実力で役を見事に全うしました。

映画ジャーナリストたちは、キャサリンが本作のドラマの重みを一人で支え切ったと評価しています。南太平洋の荒波を突き進む彼女の姿からは、自然な魅力があふれていました。メディアは彼女を「ここ数年のディズニーにおける最大の収穫」と位置づけています。

豪華キャスト陣と実写版が樹立した記録

物語は、伝説の島を求めて旅立つ部族の神話を描きます。主人公はマウイと力を合わせ、海の恐ろしい脅威に立ち向かいます。ふたりは巨大な怪物と対峙し、古くから伝わる歴史に触れていきます。

このハリウッドの超大作を率いたのは、トーマス・ケイル監督です。彼のビジョンのもと、本作は公開直後に意外な記録を打ち立てました。今回の実写版は、同フランチャイズの映画の中で最も上映時間の長い作品となったのです。

脇を固めるキャスト陣も、物語の土台となる家族ドラマを支えています。ジョン・ツイが頼れるトゥイ首長を、フランキー・アダムスが母親のシーナを演じました。また、レナ・オーウェンが賢く愛情深いタラおばあちゃん役を務め、感動的なドラマに深みを与えています。

製作陣の噂、AI議論、そしてブラジルを訪れた「ザ・ロック」

劇場公開のかなり前から、本作の舞台裏は様々な噂で揺れていました。特に、制作段階で人工知能(AI)が使用されたという噂がオンライン上で大きな議論を呼び、一部のファンはクリエイティブなプロセスの自動化に対して反発を強めました。

こうした雑音は、公開前の観客の期待値に悪影響を及ぼしました。ディズニーはイメージ回復のためにプロモーション活動を強化せざるを得なくなり、キャスト陣は世界中を飛び回る大規模なツアーを実施しました。

ドウェイン・ジョンソン(ザ・ロック)は、ブラジルへ渡って本作を熱心にアピールしました。彼は現地で持ち前の気さくなキャラクターでファンと交流し、チケット販売に大きく貢献しました。彼のスター性は、依然として本作の最大のプロモーション戦略です。

画像: 引用 / Instagram @disneystudiosbr

南太平洋の伝説を描くビジュアルの壁

荒れ狂う海や神秘的な怪物たちを実写で表現するため、最先端の視覚効果(VFX)技術が投入されました。スタッフはアニメーション版の鮮やかな色彩を現実的なトーンへ落とし込もうと試みましたが、予告編が公開された時点からファンの意見は真っ二つに分かれました。

2016年のオリジナル版が持っていた生き生きとした極彩色が消え、落ち着いた色調になったことは、シリーズの熱心なファンにとって残念なポイントとなりました。この視覚的な違いが、海外の専門メディアの厳しい評価を招く結果となっています。

ディズニーの今後と興行収入の行方

今回の評価のつまずきは、ディズニーの実写化戦略に対する疑問を再燃させています。ここ最近のディズニーは、実写化プロジェクトがことごとく批評家から冷ややかな目で見られています。観客も度重なる実写化に疲れを覚え始めているようです。

本作が興行的成功を収められるかどうかは、ライト層の観客に委ねられています。ファミリー層は専門家のレビューを気にせず劇場に足を運ぶ傾向があるためです。今回の興行収入が、現在スタジオが企画している今後の実写映画化プロジェクトの運命を左右することになります。

ディズニーブランドの集客力は依然として強力です。新ヒロインの魅力が、スタジオの期待する興行収入の数字へとつながるか注目が集まっています。

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